福井市ベル 時計にありがちな故障とその修理法とは?
時計におこりがちな故障とは?
時計を使っている方なら、誰もが様々なトラブルに遭遇したことがあることと思います。機械式の時計であっても、クォーツの時計であっても、トラブルは起こる可能性があります。そんなとき一体どうしたら良いのでしょうか。そこで今回は、時計にありがちなトラブルとその対処法についてご紹介していきたいと思います。
目次
時刻の遅れ・進み
時計を使う中でいちばん多いトラブルが「時刻の遅れ・進み」です。機械式時計でもクォーツ時計でも起きるトラブルのひとつ。長く使っている時計であればあるほど、起きやすいかもしれません。時計の中には、多いもので何百という部品が備わっています。その部品一つ一つを潤滑に動かすために、「潤滑油」というものがあり、潤滑油が少なくなってきたり劣化していると、時刻の遅れや進みにつながります。
対処法
時計も機械で動いているものなので、部品の摩耗や劣化してしまいます。なので、メンテナンスを行っていない時計は、とくに時刻がずれやすいかもしれません。時刻の遅れや進みが目立つようであれば、時計修理専門店でメンテナンスや修理に出すことをオススメします。
ソーラー時計の止まり
「ソーラー時計」=「半永久に動く」と思われている方も多いようですが、これは大間違い。ソーラー時計にも、蓄電池という光を蓄えておく用の電池が入っています。その蓄電池にも寿命があり、約6~7年ぐらいといわれています。なので長く使っている時計だと、急に止まって動かなくなってしまったり、時刻がずれてしまうことも。きちんち修理に出せば、また使うこともできますよ。また、単純に充電不足という可能性もあります。
対処法
ソーラー時計は、暗い所や箱の中に入れたままにしておくと、充電がゼロの状態になり動かなくなってしまいます。とくに冬場は、洋服の袖に隠れてしまったり、晴れている時間が短く充電できない状態が続くことも。そうならないためにも、常日頃からこまめに充電することを心掛けるようにしておくと安心です。
電波時計の時刻ずれ
電波時計は時刻と日付を合わせる必要がないため、購入の時に選ぶ方も増えてきていますよね。そんな電波時計でも時刻がずれてしまうことがあるんです。「なぜ?」と思う方も多いかと思います。電波時計がずれる要因は様々。いちばん多いのが電波受信ができずにずれてしまうパターンです。電波時計には、電波を受信しやすい環境と、受信しにくい環境の2つがあります。受信にしくい環境の例として、雷雨などの悪天候や、高いビルなどの周辺、山などがあります。こういった電波が届きにくい環境下では、電波受信ができず、知らず知らずのうちに時刻がずれていきます。また、衝撃や磁気帯びが原因で基準位置がずれてしまい、時刻がずれてくることもあります。
対処法
基準位置とは正しい時刻とカレンダーを表示するための、針とカレンダーの位置のこと。この基準位置が1秒でもずれていると、時刻のずれにつながります。ですから、外部からの衝撃や、磁気を発するものの近くに置いておくのは避けましょう。また、電波が受信しやすい環境下で使うことをオススメします。
磁気帯び
意外と知られていない「磁気帯び」。磁気を帯びてしまうと、時刻が正確に表示されなくなったすることが。磁気は身近なところにたくさんあるのをみなさんはご存知でしょうか?例えば、スマートフォンやパソコン、電化製品から磁気は発しているので、近くに置いておくのは危険です。機械式時計やクォーツ時計は磁気を帯びやすいですが、デジタル表記のクォーツ時計は磁気帯びの可能性は低いそうです。また、機械式時計はクォーツ時計に比べて、部品の数も多く、内部の構造もかなり複雑なため磁気の影響を受けやすいので、より一層注意が必要に。
対処法
磁気を発するものの近くから最低でも5cm以上は離して置いておくなどしておくと良いでしょう。もし磁気を帯びてしまったら、時計屋さんで簡単に磁気抜きをしてくれるところもあるようです。しかし、磁気を抜いてもまた磁気を帯びる可能性はあるので、使用する際には十分気をつけましょう。
電池交換しても動かない
電池交換したはずなのに時計が動かず、「なぜ?」と思う方もいるかもしれません。電池の寿命は約2~3年ぐらいといわれています。何回か電池交換をするうちに、電池交換のスパンが短く感じてくることがあります。そこで修理に出さずに使い続けていると、電池交換しても動かないということが起きます。内部の機械が汚れていたりすると、電池の消耗だけが早くなってしまい、電池がすぐに切れてしまいます。それを何回も繰り返すうちに、動くこともなくなるというわけです。動かなくなるまでにサインは出ているのですが、知らないがゆえにこういったことが起きてしまうのです。
対処法
電池交換しても動かないときは、分解掃除をする必要があります。分解掃除では、内部の部品の点検をするため、また正常に動き使うことができます。
ガラスが曇る
ガラスが曇る原因には2つあり、1つは時計内部に水が入った可能性が高いといえます。ほとんどの時計には、防水性能がついていますが、なかには非防水のものもあります。防水性があるからといって、水が完全に防げているとは限りません。防水がついている時計は、防水検査をすることにより、今ある現状の防水精度を確認することができます。電池交換をする際は、時計の裏ブタをあけて作業を行うため、より防水検査をすることをオススメします。防水検査をしないまま使い続けると、防水性が劣化しているのに気づかず、水が入ってしまうことに。また、裏ブタについているパッキンが劣化していたり、ガラスにヒビが入っていたりしても、水が入る恐れがあります。
もう1つの原因は、気温差によって結露が発生しガラスが曇るということ。急激な温度差が生じた環境では、空気中の水分が結露し、時計のガラスが曇ることが。温度差がなくなることで曇りは自然と解消されていきます。
対処法
すぐに曇りがなくなれば特に問題は無いと思いますが、ずっと曇った状態が続くようであれば、水が入った可能性が高いかもしれません。どちらにおいても、乾燥処理を時計屋さんでお願いするのがベストですね。しかし、この処置は一時的なものにすぎませんので、様子を見て修理に出すことも検討した方が良いでしょう。
ベルトの破損
金属のベルトを使っていると、ピンがとれたりすることがあります。これは、使っている時間が多い少ないかかわらずに起こる可能性もあります。もちろん、経年劣化してくることも原因にあげられますが、いちばんの要因は、「汚れ」です。一見汚れていないように見える時計でも、目に見えない汚れがぎっしりつまっているんですよ。汚れたところで使っているから汚れるわけではありません。例えば、手を洗ったり、汗をかきますよね?そのときの水分は、ベルトの隙間には入り込んでしまいます。入り込んだ水分をそのままにしておくと、汚れやサビたりする原因になります。そこからピンも摩耗したりすることにより、ピンがとれてきてしまうのです。
対処法
一度ピンがとれてくると、他のところもとれてくる可能性があります。ですから、一度とれてしまったらメンテナンスに出す必要があります。
時計屋さんで行ってくれる修理は、ベルトの洗浄です。「ベルトの洗浄なんてできるの?」と思われがちですが、専門の時計修理屋さんでは行ってくれるみたいです。まず、超音波洗浄機でベルト全体の汚れをとってから、歯ブラシなど軟らかいものでこすり、最後にスチーマーをかけて乾燥し完成です。ベルトの洗浄を毎月行う必要はありませんが、年に2回ぐらいを目安に行うと良いかと。とくに、夏に汗をかきやすいので、夏終わりは必須!また、自宅でも簡単にお手入れすることもできるみたい。ぬるま湯に食器用洗剤をうすめて、歯ブラシなどでかるくこすっていきます。そのあと、きれいな水で汚れを流し、ドライヤーで乾燥させればOKです。
時計の針・インデックスとれ
気づいたら「針やインデックスがとれていた!」なんてことありますよね。とれてしまう原因は「衝撃」。無意識のうちにどこかにぶつけたり、あたったりすることで針やインデックスがとまっている部分が緩んでしまい、とれてしまうのです。とれてしまうと他の針に引っかかったり、機械式の時計の場合、機械の中に挟まったりと2次災害を及ぼす可能性が。そうならないためにも、針やインデックスの打ち直しをしてもらうか、除去だけしてもらうかになります。時刻を合わせる際に、針が不安定な動きをしたり、時刻が大幅にずれていたりすると、針やインデックスがとれかかっているサインに。
リューズの破損
時刻やカレンダーを合わせるときに使う「リューズ」。「時刻を合わせようと引っ張ったときにとれてしまった(折れた)!」なんてことはありませんか?リューズは使用頻度も多いため、摩耗や劣化するケースは少なくありません。時計の内部には油がありますが、油が少なくなったり、劣化してきたりすると、リューズがとれたり、折れたりすることが。また、汗や水分がリューズの隙間から入り込み、サビてしまい、固着してしまうことも。その固着したリューズを無理やり引っ張ることによって、破損するケースもあります。リューズには「巻き芯」といった、長い芯がついていますが、巻き芯が抜けているのか折れているかでだいぶ修理にも影響してきます。
対処法
リューズがとれたり、折れたりしている状態での使用は控えた方が良いでしょう。そこから水や水分が入ったりしてしまうため、時計内部も故障してしまう原因につながります。とれたり折れたりしてしまったら、すぐに時計屋さんへ持って行くのが良いでしょう。
ガラスの破損
使っていいるうちに傷がついたりすることはよくありますよね。傷がつくのと同じく、ガラスが欠けていたり割れたりすることもよくあるそうです。主にガラスには、「サファイアガラス」と「クリスタルガラス」が使われています。クリスタルガラスに比べて、サファイアガラスは、傷がつきにくいといわれています。しかし、どんなガラスでも全く傷がつかないわけではありません。時計は、日常生活でかかさずに着ける人も多いかと思います。着けていれば無意識のうちにどこかにあたったり、ぶつけたりしている可能性もありますよね。そういった小さな衝撃でも、小傷はついてくるものです。ぶつけた場所が悪かったりすると、ガラスにヒビが入ったり、割れてしまうこともあります。もし、割れてしまった際は、そのまま使用しないようにしましょう。割れた箇所から水が入ったり、割れた破片が文字盤についてしまい、針に引っかかったりすることもあるからです。
対処法
傷がついたり割れたガラスは、修理に出せばほとんどのものは新しいものに交換することができるそうです。中には、交換ではなく一から作成になることもあるかもしれません。
冬場に起きるトラブル
「冬になると時計が壊れる」といった現象が起きることがあります。なぜ冬場に時計が壊れやすくなるのでしょうか?実は、冬は急激な気温の変化で、時計内部に異常をきたすことがあるそうです。そんな時に起こりやすいのが「時刻のずれ」です。適温の場所で使うときには、時刻のずれはおきませんが、寒いところから暖かいところ、暖かいところから寒いところといった寒暖差によって時刻のずれが発生します。原因は、時計内部にある「コイル」です。コイルは適温の場所で使っているときは正常に動きますが、急激な寒暖差によって、コイルが縮まってしまい、時刻のがずれてしまう原因になってしまうんです。
対処法
真冬の車内に時計を置きっぱなしにしておくと、家の中や職場内で使おうと思ったときに、時刻がずれているということが起きてしまいます。なので、なるべく寒暖差のないところでの使用、保管するようにしましょう。
分解掃除
すべてのトラブルが起きてしまった、起きる前に「分解掃除」をすることをオススメします。「分解掃除」というワードを聞いたことはあっても、中身までは知らない方も多いかもしれません。分解掃除は別名「オーバーホール」とも言われています。分解掃除とは、簡単にいってしまえば人間でいう健康診断のようなもの。健康診断は年に1回必ず受けると思います。しかし、時計のメンテナンスは必ずしてくださいという決まりがありません。ですから、メンテナンスを受けずに使い続ける人が多いのです。
分解掃除では、時計の内部の部品ひとつひとつ分解し、使える部品と使えない部品に分けていきます。劣化や摩耗があり使えない部品は新しい部品と交換になります。その際には、ケースの洗浄やベルトの研磨など、普段できないメンテナンスも同時にお願いすることもできるみたい。分解掃除を行う目安は、機械式の時計で3~4年に1度、電池式の時計で5~6年に1度、ソーラー式の時計で6~7年に1度。時計の使い方によっては変わってくるので、あくまでも目安と考えるのが良いでしょう。また、期間も約1か月ほどはみておくと良いかと。海外製や特殊な修理があるものに関しては、2~3か月ぐらいはかかるかもしれません。費用も時計によって違うため、時計修理専門店にてお見積もりをとってもうらようにしましょう。分解掃除に出す場合は、期間に余裕を持って持ち込むように!
まとめ
いかがでしたか?今回は、時計にありがちなトラブルとその対処法についてご紹介させて頂きました。時計にはいろんなトラブルが起きる可能性があることが分かりましたね。「時刻の遅れ・進み」や「ガラスの曇り」など、ありがちなものもありましたが、「磁気帯び」や「針やインデックスとれ」など、初めて知ることもありましたね。聞いたことはあっても、どんな内容かまでは知らないこともあったと思います。知っているとの知らないのでは、時計を使ううえでも大きく違ってきます。時計も車と同じ機械で動くものですから、いつどんなトラブルが起きてもおかしくはありません。そうならないためにも何年かに1度は、定期的なメンテナンスに出すことをオススメします。異常がでてから受けるのももちろん良いですが、異常が出る前から定期的にメンテナンスをしているほうが、大切な時計を長く使うことができます。わかならいことがあれば、まずは時計の修理専門店へ相談しに行きましょう。
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▽時刻の遅れ・進み
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▽ベルトの破損
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▽分解掃除