福井市エルパ時計修理に出したらオーバーホールが必要と言われた!これって何故?
時計の修理に出したらオーバーホールが必要と言われた!これって何故?
腕時計を使っているうえで必ず必要になってくるオーバーホール。時計屋さんで電池交換の依頼をした時や時計が遅れるのを相談したらオーバーホールが必要と言われたことはありませんか?時間も費用もかかるのに本当に分解してまで修理が必要なのか、と邪険にしてしまう方も多いオーバーホール。今日はオーバーホールが必要な理由について一緒に考えていきましょう。
目次
そもそもオーバーホールとは?
そもそもオーバーホールとは何?そう思われる方も多いのでは?オーバーホールとは日本語では分解掃除とも言われ、時計を一度分解してメンテナンスすること。腕時計にそのようなことが必要なのか、と思われるかもしれませんが、時計は長く使っていると部品に塗っている油が劣化したり、乾いてしまったりということが起こります。また部品自体が傷んでしまうことで時間が遅れたり、すぐに止まってしまったりという不具合がおきます。そういった不具合を解消し、長く使うためにもオーバーホールは必要な作業です。
どんな時計でも必要なの?
機械式の時計を使っている人はよく耳にするオーバーホール。実は機械式時計以外でもオーバーホールが必要なのを知っていましたか?腕時計の種類は大きく分けて電池式、ソーラー式、電池式の3つ。電池やソーラーの時計でも機械油は5年ほどで必ず乾いてくるのでオーバーホールは必要と言えます。また、機械式の時計は使っている部品数が多く、動力源となるゼンマイが傷みやすいのでより定期的なオーバーホールが必要と言われています。次にクォーツ、ソーラー、機械式の時計でそれぞれどんな時にオーバーホールが必要になるか、詳しく見ていきましょう!
電池の時計は電池だけでいいのでは?
電池の時計であれば電池交換さえすればずっと使えると思っている方も多いのでは?しかし電池の時計でも電池交換後に動かなかったり、動いても1年以内にも電池が切れてしまうという現象が起こることがあります。原因は先ほど述べた機械油の渇きや部品の劣化が挙げられます。ほかにも古い電池からの液漏れで電池の接触が悪くなったり、機械内部の錆が原因ですぐにとまってしまうということも起こります。特にこの電池の液漏れは放っておくと、時計内部に白い塊ができてしまったり、錆が発生する原因にもなります。
ソーラーはメンテナンス不要なのでは?
よく電池交換不要といわれているソーラーの時計。中には電波も受信出来て時間や日付の修正が要らない、と謳っている時計も多いですよね。「電池交換不要」と謳って販売している時計も多数。しかし厳密にはこちらもメンテナンスが必要。ソーラーの時計でも中には蓄電池が入っていてその交換が5年から10年に一度は必要になってきます。携帯電話を使っていると、最初は電池が減るのが遅かったのに2年程経ったときにはすぐ充電しないといけなくなるという経験をしたことはありませんか?携帯電話の蓄電池が持たなくなるようにソーラー時計の蓄電池も劣化してきます。多くのメーカーがソーラー時計の修理の際に、蓄電池の交換とオーバーホールを一緒に行うようにしています。G-SHOCKなど一部の時計は蓄電池を交換するだけで済む例外もあります。しかし、ほとんどのソーラー時計にはソーラーの時計を安心して長く使えるようにする為にもオーバーホールは必要なのです。
よりデリケートな機械式時計
ゼンマイが動力源の機械式時計。たくさんの部品が組み合わさってできた機械式時計は特にオーバーホールが必要と言われています。電池やソーラーの時計の部品数が約50から90程度と言われています。機械式時計は最低でも100から200と言われています。ストップウォッチ機能がついているクロノグラフのもでは700以上の部品を使っていることも。クォーツやソーラーの時計が集積回路を基盤としているのに対して、機械式時計は多数の部品がうまくかみ合っていることが前提で動くようになっています。そのためゼンマイが切れてしまったり、歯車が欠けてしまったりすることできちんと時を刻むことができなくなってしまいます。次によくある機械式時計のトラブルについていくつか分類してご紹介します!
①ゼンマイ切れ
ゼンマイと聞いてもピンとこない人も多いことかと思います。ゼンマイとは細い金属の糸や薄い板のような部品が巻円心状に巻き着いた部品のことです。もともとはひげ鯨のひげが使われていたようですが、今では一般的に鋼が使われています。巻き付いた鋼が元に戻ろうとする力を回転運動に変換して動力にしたものを「機械式」や「ゼンマイ仕掛け」のように呼びます。時計以外にもからくり人形やオルゴール、手を放すと動き出すミニカーのような玩具にも用いられています。機械式時計では竜頭を回すことや、時計内の振り子の動きを利用してゼンマイが巻き上がるように組み上げられています。このようにゼンマイとはそもそもの原動力を担う部分なので、このゼンマイが切れてしまうと時計は動きようがないのです。ゼンマイが切れてしまっていると、竜頭を巻いても巻いても、手ごたえが軽いまま一向に動きません。原因は巻きすぎや長年使っていることによる金属疲労。修理をするには、ゼンマイの交換や、ゼンマイが収められている香箱という部品ごとの交換が必要になります。
②ゼンマイがほどけない
ゼンマイが切れているわけではないものの、ほどけないという現象もよく起こります。先ほども述べましたが、ゼンマイも金属でできている部品。ゼンマイが固着してしまったり、ゼンマイが逆回転しないように留めているパーツに不具合があるとこのような現象が起こります。原因は長年使っていないことによる固着や、水が入ってしまったことによる錆、稀ですが衝撃により部品が外れてしまうことなどが原因として挙げられます。こちらもゼンマイ切れと同様にゼンマイの交換が必要になることが多いです。
③テンプが動いていない
機械式時計の中でも腕に着けていることだけで、自動でゼンマイを巻き上げてくれるものが自動巻きの時計。機械式時計では裏蓋がスケルトンになっていて、中の機械が動く様子が見えるという時計もたくさんあります。通称裏透けとも言われている自動巻きの時計は非常に美しく人気も高いですが、テンプの不具合はこの自動巻きの時計で起こります。裏透けの時計を見ると、よく動く振り子のような円形の部品がテンプです。自動巻きの時計全てに入っており、裏が見えないダイバーウォッチのような時計にも入っています。このテンプの動きが緩慢だと装着しても、ワインダーに入れていてもうまくゼンマイを巻くことができません。そのため毎日着けているのにすぐ止まってしまうという感覚になってしまいます。テンプとゼンマイをつなぐ部品が傷んでしまったり、油が乾いてしまうことなどがテンプが上手く動かない原因になります。
④磁気帯び
ある意味現代の脅威とも呼べるのがこちらの磁気帯び。時計を持ち運ぼうという発想が確立されたのは1800年代になってから。特にスイスの歴史ある時計メーカーが名を上げるようになったのはこと1900年代になってからと言われています。腕時計が作られ始めたその時代は、今のような家電製品とは無縁の世界です。携帯電話やパソコン、電子レンジ、スピーカー、テレビ、ラジオのような電磁波を発生させる機器の近くに時計を置いてしまうと腕時計の中に磁気が入ってしまうことも。時期によって時計内部の部品が偏ってしまい、時間が早くなってしまったり、遅くなってしまったりします。特に部品数の多い機械式時計は磁気帯びしやすい傾向が強く、中でもゼンマイは特に影響を受けやすいと言われています。最近では磁気を帯びにくいクロムという金属やそもそも金属ではないシリコンで作るというメーカーも出てきていますが、まだまだ磁気には注意が必要です。よくありがちなのが、パソコンやタブレット端末の上に置いてしまったり、財布やバックの磁石の近くに置いてしまったりというような失敗です。一度時計に磁気が入ってしまうと、時計を分解してパーツごとの磁気抜きが必要になります。つまりオーバーホールが必要になるのです。このようにゼンマイが切れてしまったり、歯車がかけてしまうことが遅れの原因になります。一見何ともないように見えても、巻き時間が持たなくなったり一日に30秒以上ズレるようになった時はオーバーホールの時期になっていると言えるでしょう。上記で挙げたように、手で巻いても、着けても動かないようになってしまうと、修理代金が予想以上に高額になってしまうことも。その前に定期的なメンテナンスが必要です。また、磁気帯びは機械式時計のみではなく、クォーツやソーラーの時計でも起こる現象なので注意が必要です。
え!?こんなときでもオーバーホールしないといけないの?
クォーツ、ソーラー、機械式と腕時計のムーブメントごとの不具合について今まで述べてきましたが、次は少し見方を変えていきます。別の修理を頼んだのにオーバーホールが必要になってしまう時についてお伝えします!一見、大きな修理が必要には見えない、その部分だけを直せばいいのではないかと思いがちな場合もあるので一緒に考えていきましょう。
①針やインデックスが取れてしまったケース
ふとした拍子に時計を見ると秒針が外れていたり、上下に時計を振ると針も一緒に揺れてしまっていてビックリした、という方もいるのでは?または、数字やストップウォッチの小さな針が外れてしまって、文字盤の端に引っかかっていたということはありませんか?接着剤などで簡単に直せそうに見える修理ですが、実はこちらも注意が必要。針やインデックスが取れてしまうということは、それだけ腕時計に衝撃がかかっているということ。外からは見えない不具合が時計の中で起こっているということもあります。例えば、秒針が外れてしまったという場合。機会を外して、秒針を取り付けることができたとしても、文字盤と機械を固定している脚が折れてしまっているということがあります。脚が折れていると、文字盤がどんどんと浮いてきて、秒針だけではなく短針や分針も一緒に浮き上がって外れてしまうといったケースもあります。文字盤の脚折れの修理にはオーバーホールが必要になります。針だけ、インデックスだけと思いがちですが、時計の内部が大きなダメージを負っていることもあります。
②ガラスが傷ついてしまったケース
最近では傷が最もつきにくいサファイアガラスを使っている時計も多くありますが、家具の角や硬い地面にぶつけてしまったときにはガラスに傷が入ってしまうことも。針やインデックスが取れてしまう現象と同じようにこちらも注意が必要です。ガラスが割れてしまうほどの衝撃は腕時計には御法度です。
③時計の内側が曇りや水滴が付いてしまったケース
時計の外側を拭いても、全体的にフェイスが白っぽく見える。そんな時は時計の中に水が入ってしまったのかもしれません。ケース部分の経年劣化や防水性能以上の水圧がかかってしまったときには時計の内部に水が入ってしまうことがあります。簡単にガラスの内側だけ吹けばいいのではと思われがちですが、単純には解決できないのがこの湿気乾燥です。仮にガラスの内側だけを拭いたとしてもすぐに曇りは再発します。何故なら腕時計は複雑な部品が組み合わさった精密機械だから。何十、何百と部品が重なった時計は部品一つ一つに水気を帯びてしまいます。一つ一つしっかりと乾かしたうえで、再度組み立てる必要があります。曇りが出て時間が経つと部品自体が錆びついてしまいます。とくに海水が入ってしまったというときは早めの対処が必要。海水は金属を早く錆びつかせてしまうので、もし海水浴やマリンスポーツの後に曇ってしまったというときは早急に時計屋さんに相談して下さい。
まとめ
いかがでしたでしょうか?腕時計のオーバーホールが必要になるという理由、場面は意外とたくさんあります。どんな種類の腕時計でも必要なオーバーホール。高い時計を買ったのに修理が必要なのか?ずっと使っていなかったのに、ちょっとぶつけただけなのに、とは思わずに、大切な時計を健康に長く使うためにぜひ定期的なメンテナンスをお考え下さいね。時計の修理の見積もりだけや相談だけできるというお店もたくさんあるのでぜひ一度相談してみてください。
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