福井市 腕時計修理の事例まとめ!腕時計が止まったときの対処法とは?
時計のトラブルや修理で多い事例と対処法をご紹介
普段から愛用している時計が動かなくなったり、異常な動作をしていたりしたら困りますよね。もちろん壊れてしまった可能性もありますが、もしかしたら使い方が間違っている可能性も!そこで今回は、修理依頼で持ち込みや相談が多い事例を幾つかご紹介していきます。買ったばかりなのに調子が悪い、久しぶりに使おうと思ったらちゃんと動かないといった方もまずは一度確認してみてくださいね。
腕時計の修理事例
9.デイトジャストなのに0時ぴったりにカレンダーが変わらない
11.時間がズレる等動きがおかしくなった(ソーラー時計、ソーラー電波時計)
すぐに止まってしまう(自動巻き)
ゼンマイの巻き上げ不足
まず最初に考えられるのがゼンマイの巻き上げ不足です。
「すぐに時計が止まる」と自動巻きの時計を修理に持ってくる方は少なくありません。「どの様な感じで使われてますか?」ときくと、「自動巻きの時計だから最初に少し降って動き出したらそのまま手に着けてる」との事。
確かに自動巻きの時計は腕に着けていれば腕の動きで自動巻き機構のローターが動きゼンマイが巻かれます。
しかし、あくまで腕を動かす前提で腕をあまり動かさなかったり、時計を外しているとゼンマイは巻かれません。
今回のように最初だけ少し降って動いた程度ではゼンマイの巻き上げは足りていません、巻き上げが足りないとトルク(動かすための力)が足りず直ぐに止まってしまい動きも不安定に。
止まっている状態からの使用ならゼンマイを40回ほど巻き上げてから使うと良いでしょう。
「ゼンマイを巻きすぎると壊れないのか?」と思う方もいるかもしれませんが、今の時計だと多くの場合最大まで巻いても巻ききれない仕様になっているものが多いようです。
巻ききれるタイプの物だとある程度巻くと明らかに巻く際に重くなるので、「重いな」「硬いな」と思ったら巻くのをやめましょう。
ゼンマイをしっかり巻いても直ぐに止まってしまう、巻いた感じが軽すぎるなどの違和感がある場合は壊れている可能性がありますので、オーバーホール(分解洗浄)が必要になってきます。
時間が進む、遅れる(機械式時計)
機械式時計はクォーツ(電池)や電波時計と比べるとどうしても多少の進みや遅れは出てしまうため、「時間が進む、遅れる」といって修理に持ってくる方も多いようです。
一般的な機械式の精度として日差(一日にどれ位ズレるか)で-10秒~+20秒程度、つまり一日30秒程度までのズレは許容範囲とされている時計が多いよう。
アンティークの時計だと日差-30秒~+60秒程度までが許容範囲。まずは、この程度は機械式時計にとって範囲内のズレ。
「朝合わせても夜には3秒ほどズレる」等のパターンは範囲内。さらに、時計の姿勢差(向きが縦や横や平置きなど様々な向きになる事)や巻き上げ具合、温度差等も精度に影響を与えます。
では、時間が大きくズレる場合はどうでしょうか?原因は色々考えられますが
・油切れ
・磁気帯び
・パーツの破損、異常
・リューズが引かれていた 等が考えられます。
油切れ
時計の内部には、様々な箇所の動きを滑らかにに機械の負荷を減らすために油(潤滑油)が注油されています。潤滑油は専用のとても乾きにくい物を使用していますが、大体3~5年程度で劣化し乾いてしまいます。潤滑油が切れると機械内部の負荷が大きくなり、最悪の場合内部パーツを痛めてしまい交換が必要になってくることも。
また、潤滑油が切れた時計は止まったり大きく遅れます。油切れの前兆として、ゼンマイを巻く際に「固い」、「重い」、「最大まで巻いているのに止まるのが早くなってきた」、「段々と時間が遅れてきた」等があります。この場合はオーバーホール(分解洗浄)が必要になります。
磁気帯び
次に考えられるのは「磁気帯び」。時計のパーツの多くは金属です。磁石の近くに置くと磁化して動きに大きく影響があります。
特に、時計の心臓ともいえる「ヒゲゼンマイ」は磁気帯びをしやすく、ここが磁気帯びしてしまうと時計の精度に大きく関わります。
普段の生活で気を付けたい箇所として
・電子レンジ、冷蔵庫、スピーカー、イヤホン等の家電製品
・スマホやパソコン
・磁気ネックレス、バッグの留め金 等様々な物があります。
特に気を付けたいのはスマホやパソコンではないでしょうか。時計をスマホやパソコンの上に置いたままにしてしまうと、磁気帯びしてしまいますので気を付けてください。磁気帯びしてしまった場合、自然には直りません。軽い磁気帯びであれば時計修理専門店で磁気抜きをしてもらうのが良いかと。
パーツの破損、異常
外からの衝撃でパーツが外れたりズレたり、機械の潤滑油が劣化や乾きで傷んでしまったりしてしまうと正常に動かなくなってしまいます。
早期発見の為にも時計を分解しパーツを点検する定期的なオーバーホールがオススメです。
リューズが引かれていた
意外と多いパターンで本人が気が付かないうちにリューズを引っかけるなどして、引いた状態になってしまい止まっていたなんてパターンも見られます。
リューズがロック式ではなく軽めの時計だと引かれてさらに気が付かないうちに戻っていたなんて事も。
また、元々リューズが軽めの時計の場合もありますが、リューズ周りのパーツの摩耗が原因で軽くなっている場合もありますので、気になる場合はオーバーホールの際に先に伝えておくと良いかと。
ステンレス素材の時計なのにサビた
使い方次第でステンレスはサビる
基本的にステンレスは空気に触れている際はサビにくい素材ですが、ゴミや埃、汗が残っていたりしているとサビる場合が!この場合は、普段のちょっとしたお手入れで防げます。
普段から水に濡れたり汗をかいたりした場合はしっかり水分を取る、ケースやブレスレットは柔らかい布やアルコール入りのウェットティッシュ等で拭く等を行いましょう。
時計を買ったときに、最初は裏ブタに保護シールが貼ってある場合がありますが、これも使用前に剝がしましょう。
付けたままにしてると裏ブタとシールの間に汚れや汗が溜まってサビの原因になります。
外見は綺麗でも時計内部がサビてしまっている場合もありますので定期的なオーバーホールをオススメ。
防水時計なのに水洗いしたらおかしくなった
防水性能は経年劣化していく
まずは大前提として、時計の防水性能は衝撃や各種パッキン、ケース、裏蓋等は経年劣化していくので同時に防水性能も劣化していきます。
10気圧以上の防水時計の多くのリューズがねじ込みロック式になっています。最後までしっかり締めないとそこから水が浸入してしまうことも。
そのため、手や時計が濡れた状態での開閉は避けた方が良いでしょう。また、リューズをロックせずに使用するのももちろんNG!
リューズの劣化やサビから防水性能が劣化し、そこから機械内部に水が浸入してしまったということに繋がる危険性が。
水洗いしても大丈夫な防水は100m防水以上です。それ以下の防水の時計は水洗いはしてはいけません。
ただし、時計の防水性能は時間と共にパッキンの劣化などで経年劣化していきます。
しばらくオーバーホールしていない時計は防水性能は落ちている可能性が。
また、水道の蛇口から流れる水の場合、水圧が高いので直接時計に当てるのはやめましょう。
お湯、温泉はNG!海水は気を付けて
防水性能の基準はあくまで「水」です。
時計は温度変化に弱くお湯や温泉に入れてしまうとパッキンや金属部分の劣化に繋がり、温泉の成分が時計に深刻なダメージを与える可能性があります。
入浴時は必ず時計を外して下さい。
200m防水のダイバーウォッチを海水で使う際は、水が入らないようにリューズをしっかり締め、使用後は真水で洗いましょう。
塩分が残っているとサビや劣化の原因となることも。
機械内部に水が浸入してしまった場合、修理にいくつものパーツ交換が必要になったり、ケースや裏蓋がサビて防水性能が落ちてしまったり、
最悪修理がほぼ不可能な状態になってしまう場合も。
しっかりとした作りの時計も内部に水が浸入してしまうと非常に厳しい状態になってしまいます。
永く防水性能を維持するためには、普段から丁寧に使い防水性能の高い時計でも水には極力気を付け、定期的なメンテナンスが必要になってきます。
時計の防水性は外観からの判断は出来ません。防水性が劣化しているのにも関わらず、そのまま使い続けて「気が付いたら水が大量に浸入していた」なんて事にはならないように気を付けましょう。
ガラス(風防)が傷ついた
一部のプラスティック風防などは少々の傷なら専用の道具で磨くことで取れますが、傷が深かったりすると取れない場合もあります。
多くの高級時計等に使われているサファイアガラスという、非常に傷の付きにくいガラスの場合は研磨などは出来ないため交換に。
リューズが固い、重くなった
リューズを巻くときに以前より明らかに重くなった場合は油切れの可能性が一番高いです。
時計内部は、機械が滑らかに動くように色々な箇所にそれぞれ専用の油(潤滑油)が注油してあります。油は時間と共に乾き凝固していき、油切れになると内部のパーツの負担が大きくなり金属疲労やパーツの摩耗が早まります。リューズが重くなっている場合は油切れの可能性が高いです。
ベルト、コマが外れてしまった
ベルトやコマは、普通に使っていれば外れる事はありませんが、衝撃、劣化、サビ、摩耗等が原因で外れたり緩んだりする事があります。
緩んだりただ外れた場合は、パーツをそのままお持ちいただければその場で取り付け可能なものがほとんど。パーツが破損していた場合は交換や修理が必要に。
ガラスが曇ってしまった
時計の内部は、空気が入っているので湿気を含んでいます。そのため、暖かい室内から気温の低い場所にいった時に、時計内の湿気が水滴になり、ガラスに付着すると曇った状態に。
曇りがすぐに消えた場合は問題が起きる可能性は低いですが、曇りが取れない場合は機械内部が曇り水が浸入している可能性があります。
リューズをきちんと閉めずに長期保管してた場合などに水分や埃が浸入してリューズや機械内部がサビ等で壊れてしまっていることがあります。ガラス部分は構造も難しくシビアで専用道具が必要になりますので、決してご自身で外したりはしないようにしましょう。
温度差が原因の曇りではない場合は時計自体に水が浸入している可能性があり、主な原因は、
・パッキンの劣化
・リューズが閉まっていなかった、リューズの劣化やサビ
・裏蓋の劣化、サビ
・ガラス面の傷や劣化 等が考えられます。
これらの原因は、防水時計、ダイバーウォッチ等でも可能性はあります。
ガラスが曇った場合の対処法
ガラスが曇ってしまった場合の応急処置として、ドライヤーで乾かす、乾燥剤と一緒に密封する等があります。
ドライヤーで乾かす場合は、リューズを引いて時計からある程度離して温めましょう。
近すぎると時計内部の温度が急激に上がり全体的に負荷がかかり、別の故障の原因となってしまいます。
乾燥剤と密封する場合もリューズを引いた状態で密封すると水が抜けやすくなります。
しかし、あくまで応急処置で完全に乾燥させることは非常に難しいので早い段階でのオーバーホールをおすすめ!
デイトジャストなのに0時ぴったりに
カレンダーが変わらない
「デイトジャスト」とは、瞬時に日付が切り変わる機構で、0時ぴったりにカレンダーが切り変わる機構の事ではありません。
デイトジャストと聞くと、0時ぴったりに日付が変わる機構と勘違いしている人も多いのですが、日付がゆっくりではなくカレンダー板にスプリング等が付いており、瞬時に切り変わる機構のこと。
時計によって個体差はありますが±10分以内に切り変われば問題ないでしょう。
他にありがちなのが「夜の0時と昼の12時を間違えている」といったパターンもあります。
12時付近で日付が変わらない場合は、そのままリューズを引いて時針を一周させてみて下さい。
カレンダー操作をしてはいけない時間帯がある
カレンダー操作の際に気を付けないといけないのが時計には、「カレンダー操作をしてはいけない時間帯がある」ということです。
具体的な時間帯としては午前4時~午後8時付近です。
多くの時計では、午前4時~午後8時にかけて日付ディスクと日送り車がゆっくりと嚙み合いだし、午前0時頃にカレンダーが変わります。
変更後にもゆっくりと噛み合いだし午前3時頃に歯車が離れるようになっています。
この日付ディスクと日送り車の歯車が、嚙み合っている時にカレンダーを早送りすると歯車に負荷がかかり、噛み合いがズレる、歯が折れる等の故障の原因に。
カレンダーを操作する際には、時間を6時or6時30分にするみたいな感じで覚えると覚えやすいかと。
中にはどの時間帯に日付を変えてもよい時計もありますが基本的にはやめておいた方が良いでしょう。
安全な時刻、日付の合わせ方(機械式、クォーツ)
①リューズを最後まで引く
②6時頃に合わせる
(一番安全な針の位置)
③リューズを一段戻してカレンダーを
合わせたい日の前日に合わせる。
(30日に合わせたい場合は29日に合わせる)
④リューズを最後まで引き針を時計回りに進めて
12時付近で日付が変わるのを確認する
(変わった箇所が深夜の0時です)
⑤日付が変わったらそのまま針を時計回りに
進めて合わせたい時間に合わせる。
⑥時刻と日付を合わせたらリューズを戻す
(ねじ込み式の場合はしっかり締める)
一部のもの以外は、日付は31日まであるので31日まである月以外は、次の月初のは手動で1日に合わせる必要があります。
電池の液漏れ(クォーツ)
電池が切れたまま放置すると
電池が切れた時計をそのまま放置していると、電池が液漏れしてしまっている事があります。
主な原因は、過放電によるもので、電池が切れた状態で長期間放置していると微量ながら電気が放電され、水素ガスが発生し、
電池の内圧が上がり安全弁から水素ガスと共に電池のアルカリ液が同時に放出されます。
電池が液漏れを起こしていた場合、度合いにもよりますが機械内部まで液が流れてしまった場合、少量なら液漏れ個所を拭き取るだけで動く場合も。汚れなどが歯車に引っかかったりして動かなくなったり、遅れたり、電池の持ちが悪い等の原因に繋がることも。
また、金属部分に付着し腐食を引き起こす事もあったり、一見拭き取るだけで綺麗に見えてもバラしてみると内部のパーツが汚れていることも。
液漏れをしてしまうと、正常に動かすにはオーバーホールが必要になる事が多くなります。
ただ、現実的には安価なクォーツ時計だと、「買い替えた方が早い」「とりあえず動けばいい」というお客様も多く、電池交換のみで済ますお客様も多いよう。
液漏れを防ぐには
電池切れで止まったら早めに電池交換することで防げることが多いので、電池が切れたら早めに交換する、もしくは電池を抜いてもらうことをオススメ。
時間がズレる等動きがおかしくなった
(ソーラー時計、ソーラー電波時計)
太陽の光での充電が効果的
ソーラー時計のトラブルで一番多い原因が「充電不足」です。まずは光に当てて充電しましょう。
一番良いのは太陽の光です。なんと曇りの日でも蛍光灯のおそよ10倍の充電ができるんです!
時間がズレる、秒針の動きがおかしい等の場合、まずはしっかりと充電してみて下さい。
しばらく使っていなくて引き出しに入れっぱなしだったり、普段から使っている方でも天気が悪い日が続いていたり、
長袖の下に時計が隠れていたりするとうまく充電ができていない可能性が。
ソーラー時計だと言う事を知らない、忘れている
他にも多いパターンとして「ソーラー時計だと認識していない」といったパターンも多く見られます。
「人からの貰い物でクォーツ式だと思っていた」「購入から時間が経っていて忘れていた」など、
時計は何年も使うものなので無理もありません。
見ただけではソーラー時計なのかクォーツ時計なのか分かりにくいのも理由の一つかと思います。
基準位置のズレ(ソーラー電波時計)
自動で時刻を合わせてくれるソーラー電波時計で時刻がズレる場合、基準位置がズレている可能性が考えられます。
基準位置とは時刻、カレンダーを表示するための基準とする針、カレンダー、表示位置の事。
これが衝撃や充電不足等で正しい位置からずれてしまうと時刻を受信しても時刻やカレンダーが正しく表示されません。
ズレてしまった場合は再度設定が必要に。なお充電が足りていないと設定が出来ないのでしっかりと充電をしてからになります。
国内3社(セイコー・シチズン・カシオ)の取扱説明書はネットで見れる
時計の購入から期間が空くと、取扱説明書を紛失してしまった…なんてことはありますよね。不具合が発生しても解決方法を探れなくては八方塞がりですよね。ですが意外と知られていないのが、実はネットから取扱説明書を見ることができるんです。腕時計の裏ブタに記載されているナンバーをもとに確認ができるので、下記リンクから試してみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、普段からの時計のトラブルや修理依頼での特に多いものをご紹介させて頂きました。
時計は普段から身に着ける精密機械なので、些細なことでも調子が悪くなってしまうことがあります。
普段から「衝撃」、「磁気」、「水」等には特に気を付けて使用しましょう。
もし、おかしいと思うことがあれば早めに近くの時計屋さんに相談することをおすすめします。
営業時間 10:00~20:00
店舗住所 〒918-8015 福井県福井市花堂南2-16-1 ベル1F
電話番号 0776-35-8882
WEBサイト https://bell-bridaljewelry.com/