海からの贈り物「珊瑚」が愛される理由とは?静岡宝石店
そもそも珊瑚(サンゴ)とは?
珊瑚は、6億年近い昔に誕生した生物です。
実は珊瑚には種類が2つあり、1つは「六放珊瑚―造礁珊瑚」とも呼ばれる、サンゴ礁のサンゴ 、そしてもう1つは「八放珊瑚―本珊瑚」とも呼ばれる宝飾用の珊瑚です。 名前は同じ「珊瑚」でも全然種類が違うんです。
今回は宝飾用の珊瑚をご紹介いたします。
珊瑚の種類
①紅珊瑚 ~血赤珊瑚~
濃い透明感のある紅色をしていて、特に品質の良いとされる土佐沖で採取されたものが、品薄傾向にあるとされています。この紅珊瑚は、希少価値、美しさ、神秘性、どれを取っても 「珊瑚の王様」と言える珊瑚です。
上の画像は、直径17.5mmもある超巨大血赤珊瑚のペンダントネックレス。こんなに大きなものはめったにありません。上代にして2000万円もする高級品です。
②エンジェルスキン ~ボケ珊瑚~
エンゼルスキンは、「天使の肌色」と表現されているように、柔らかな淡いピンク色をしていて、日本人の肌の色に調和しやすい色と言われています。現在ヨーロッパでは 三大宝石に次ぐ宝石として珍重されており、血赤珊瑚と匹敵する価値を持っています。
③桃珊瑚
紅珊瑚の重厚な色に対して 「桃珊瑚」はオレンジかかった 桃色をしています。一般的に 珊瑚といえばこの色を連想される方が多いようです。桃珊瑚は昔からかんざしや帯止め等によく使用され、美術工芸品の素材としても重宝されています。
④白珊瑚
白が美しい「白珊瑚」。 この白い珊瑚が1年に数センチとはいえ成長しているかと思うと非常に神秘的な感じがしますよね。白珊瑚を使ったネックレスやイヤリングは、清楚な気品を感じさせます。
珊瑚が貴重な理由
なぜ、珊瑚がそこまで貴重とされているのか…皆さんご存知でしょうか?
サンゴが太さ1cm成長するためには、50年前後もの歳月がかかると言われています。つまり、皆さんがお持ちのようなサンゴのジュエリーは、原木で500年以上、彫刻ものであれば、なんと800~1000年もの年月がかかっているんです!! サンゴがいかに貴重なものかが、よく分かりますよね。
珊瑚は伝統ある宝飾品
貴重な宝物を総称して、古来より「金・銀・珊瑚・綾錦」と言われてきました。日本の代表的なおとぎ話『桃太郎』の中でも、鬼退治から桃太郎が持ち帰ってきた宝物の中に、珊瑚が含まれていたことからも、珊瑚が宝物と位置づけられていたことが分かります。室町時代~江戸時代にかけ特権階級が珊瑚の朱の簪、根付、印鑑、帯留、羽織紐等に使われたように、珊瑚は「金より高い」とされ、禁輸・禁止品にされるほどだったようです。しかし、一部の豪商が貿易で、密かに用いていたと言われています。
大変貴重な珊瑚は、世界中の皇帝・貴族・権力者が愛してやまなかったことから、富の象徴であると共に、権力の象徴でもあったんですね。
いかがでしたか。
古今東西を問わず、珊瑚の赤い色は生命力につながり様々な災難や、病気から人々を守ると言われてきたのにも、歴史的背景や珊瑚の希少価値が関係していたんですね。とても魅力的な宝石ですね。