【福島市】やっぱりすごかった。グランドセイコーのクオーツ。
1960年に初代グランドセイコーが発表されてから60年の時が流れました。初代グランドセイコーは機械式。初のクオーツは1988年に登場します。その後、1993年に究極のクオーツ9Fクオーツが完成。その9Fクオーツがとにかくすごい。どのくらいすごいかをご紹介したいと思います。
9Fクオーツは長野県塩尻市にある「信州 時の匠工房」で作られています。穂高連峰を望むその場所は、豊富な水ときれいな空気に囲まれ、寒冷ながら湿気も少なく精密加工に非常に適した環境となっています。作られる場所からして特別です。
水晶振動子
クオーツとは日本語で水晶のこと。クオーツ時計は水晶に電圧をかけ、その振動数で1秒を作っている時計です。年差10秒以内という高精度の実現のために、グランドセイコーでは水晶振動子を自社グループ内で製造し、さらに3か月のエージングを経て選別された水晶振動子のみ使用しています。水晶振動子は1秒間に32,768回振動しており、クオーツ時計の精度はこの振動数を保つことで実現されます。水晶振動子には個体差があり、環境の変化や経年劣化により安定した振動を保てなくなるものがあります。また、最初は精度が高くても長年使用している間に振動数が変化し、進みや遅れが生じることもあります。それらを考慮し、振動数が落ち着く状態を作ってから搭載することがエージングです。一定の電圧を3か月かけ続け、人為的な経年変化を与えて選別するこのエージングの工程はグランドセイコーが世界に先駆けて導入しました。基準をクリアした水晶振動子だけが9Fクオーツに搭載されます。
温度変化への対応
水晶振動子には温度変化に弱いという問題があります。1秒間に32,768回という振動数が、温度によって増減してしまうのです。ちなみに、1秒間に振動数が1回変わった場合、計算上では年間に16分の誤差を生むことになります。そのため、エージングされた水晶振動子を組み込む際に、まず個体差の情報を本体のICに書き込みます。水晶振動子とICをマッチングさせることでそれぞれの時計ごとに最適な状態に仕上げ、さらに時計内部の温度を1日に540回のセンサー測定を行っています。そのデータによってIC内で温度影響を判断し、水晶振動子の誤差を補正しています。さらに、この温度補正は超低電力で行われます。一般的なクオーツ時計は温度補正のプログラムを搭載することはほとんどありません。温度補正のプログラムを搭載することで制御に大きな電力が必要となり、電池寿命が短くなってしまうためです。9Fクオーツではこの温度補正を超低電力で行うことを可能にし、温度補正をしながら、一般的なクオーツ時計よりも長い約3年の電池寿命となっています。
▼福島県グランドセイコー正規取扱店
太く重い針
機械式時計と比較して動力の弱いクオーツ時計では、一般的に細い分針が使われることが多いです。ですが、9Fクオーツには機械式の初代グランドセイコーが備えていたような太く堂々とした針がついています。見やすく実用的な腕時計を目指すグランドセイコーらしい針です。その針を正確に動かす為に、9Fクオーツにはエネルギーを節約しながら重い針を動かすことのできる「ツインパルス制御モーター」が搭載されています。通常のクオーツ針は1秒に1ステップ(1回)動きますが、9Fクオーツは1秒間に2ステップ(2回)動いています。目に見える動きは1回の動きのままです。(スマートフォンなどでスロー撮影するとその動きが分かります)重い針を動かす為に高い動力と省エネルギーを両立させるよう、効率よく1秒間に2回の信号を送っているからです。この独自の「ツインパルス制御システム」を駆動しながら、ICを省電力化することで手に入れた従来の2倍の動力によって太く重い針を動かすことを可能にしました。
高耐久
世の中にあるほとんどのクオーツは機械による自動組み立てですが、複雑な機構を持つ9Fクオーツは手作業でしか組み上げることができません。プラスチックを多用する大量生産品と比較して、グランドセイコーの金属素材は非常に複雑になっています。カレンダー機構が搭載されるダイヤル側、時間精度を司るムーブメント側、それぞれの組み立てを異なる2名の職人が行い、熟練した技術を掛け合わせることで、グランドセイコーの高い精度が保たれています。技術が必要な複雑な金属素材を使うことで、9Fクオーツは一般的なクオーツ時計に多いプラスチック製と比較して高い耐久性を誇ります。
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瞬間日送り
9Fクオーツでは「日回し歯車」と連動する「瞬間日送りカム」と、その動きで作動する「瞬間日送りレバー」を採用しています。「日回し車」の回転に従って「瞬間日送りレバー」のばねを次第にたわめて力を蓄え、カムの回転がある位置に来ると、ばねが瞬間的に解放されて、日付表示が瞬時に切り替わるという仕組みです。動力にの大きい機械式時計では前例がある瞬間日送りカレンダーですが、クオーツ時計への搭載を実現したのはグランドセイコーが初です。この切り換えの瞬間を午前0時に合わせ込む作業は、熟練した組立職人の手作業によるものです。職人の高い技術を持って、午前0時を指す前にカレンダーが切り替わることがないように、基準として午前0時~5分の間に設定されています。
バックラッシュオートアジャスト機構
通常、歯車と歯車の間には「遊び(バックラッシュ)」が設けられています。歯車は「遊び」がなければ回転することはできないのですが、この「遊び」が秒針の震えの原因となっています。そこで開発されたのが「バックラッシュオートアジャスト機構」です。秒針の的確で美しい動きを可能にしたこの機構には、機械式時計の心臓部を構成するのと同じひげぜんまいが用いられています。ひげぜんまいで得られるごく僅かなばねの力を利用して、秒針の震えを抑えて動きを安定させ、規則正しい1秒を刻むようになります。
3針独立ガイド構造
時刻合わせの時、時針や分針を動かすと秒針にも干渉してしまい、針のふらつきが起こることがあります。ほんの僅かな針の揺れもグランドセイコーにはふさわしくないという考えから「3針独立ガイド構造」が誕生しました。分針は1日にダイヤルの上を24周、秒針は1440周も回るため、時、分、秒の3本の針の動きが互いの針に影響しない構造にしなければ、正確な時刻を指し示すことはできません。9Fクオーツでは、3本の針を取り付ける軸が互いに干渉し合わず、独立して回転する構造を採用することで、それぞれの針の動きが他の針に影響を与えることのない、滑らかな動きを可能にしました。
りゅうずの操作性
一般的なクオーツ時計は、りゅうずを1回転させると分針が約60分進みますが、9Fクオーツでは僅か20分です。回転量を少なくしたことで、針の細かい位置調整がしやすくなり、より厳密に時刻を合わやすくなっています。りゅうずの引き出し量についても、一般的な8㎜に対して、グランドセイコーは11㎜と大きくとっています。その為に日付表示を切り替える際も、誤操作を起こしにくくなっています。そのため、日付表示を切り替える際に操作がしやすくなっています。
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クオーツでも精度調整
機械式時計は精度を微調整するための機構を持っていますが、一般的にクオーツ時計では裏蓋を開けても精度の微調整を行うことはできません。9Fクオーツには「緩急スイッチ」というものがあり、精度の微調整を行うことができるようになっています。使い始めてから数年が経って、進みやすい、遅れやすいといった個体別の傾向がはっきりしたときに、この精度を補正することができるのです。長年ご愛用いただくとその時計の「癖」が出てくるので、「癖」に合わせた調整を行うことでより長く寄り添える時計となります。ただし、9Fクオーツに使用している水晶振動子は、独自のテストやエージングを重ねた最高級品であるため、この「緩急スイッチ」の出番がほとんどない優秀なものです。ここがグランドセイコーらしい、心配りとなっています。
見えないところへの配慮
9Fクオーツは輪列部を保護し、長期にわたる信頼性を確保する「スーパーシールドキャビン」を採用しています。電池部から輪列部への塵の侵入を防ぐ壁を設け、切り替え動作を確認する覗き穴もルビーの石でふさいでこちらも塵の侵入を防いでいます。さらに心臓部であるローターには気密性を高めるために「組み合わせ軸受け構造」を採用しています。ローター部に塵やホコリが侵入することを防ぐとともに、潤滑油の油だまり空間を設け、徹底的に摩耗を防ぐ高い保油性を確保しています。クオーツ時計では避けられない、電池交換に対する十分な配慮であり、高精度のクオーツとしての高い性能を長期間保つための細やかな気づかいを反映してる機構です。
9Fクオーツのすごさ
グランドセイコーが目指すものは、正確で、見やすく、とても使いやすい実用時計の最高峰であり、日本の匠の技でつくられたメイドインジャパンの時計です。9Fクオーツのシンプルで飽きのこないデザインの中にはこれだけのすごさが詰め込まれています。派手さはないけど信頼して永く愛用できる、そんなグランドセイコーの9Fクオーツのすごさをご紹介させていただきました。
9Fクオーツ 代表モデル
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グランドセイコー正規取扱店「オペラ福島店」
福島市にある「オペラ福島店」は福島市のグランドセイコー正規取扱店です。「オペラ郡山本店」の系列店として修理や調整など各種ご相談も承っております。取扱いのないブランドの商品についても気軽にお問合せ下さい。無料駐車場完備。福島西インターチェンジより車で約4分。
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