時計のガラスが欠けてしまった！これって直せる？

急遽、使っていた時計の電池が止まってしまったので、電池交換をしに行きました。福井市内で電池交換をしているお店の中で、一番口コミが良かったところに行こうと思い、ショッピングモール内にあるタケウチエルパ店に行ってみました。このお店には、人気の国産時計がたくさん揃っていて、試着もできるとのことで、修理に相談に来ている人だけでなく、たくさんの人が来ていました。

福井市のショッピングモール内にあるタケウチエルパ店

福井市のショッピングモール内にある時計修理店のタケウチエルパ店では、電池交換やバンドのクリーニング、バンドの調整、オーバーホール（分解掃除）の預かりなどをしています。電池交換は、時計のブランドや状態などによって修理料金が変わるのと、バンドのクリーニングは通常時でも３時間ほどかかるので、買い物をする前に預けておくといいですよ。今回、電池交換はこちらでお任せしようと思っていたので、平日の混みにくい時間帯を事前に教えてもらってからお店に行きました。平日でしたが、仕事帰りの人や試験で使う用に、と意外と込み合っていました。

お店の人から・・・

このお店では、修理をする人のほかにも受付けをしてくれる店員さんが多かったので、込み合ってはいましたがすぐに自分の番になりました。電池交換をお願いしたい、と伝えると、その店員さんは”使っていてどのくらい経つのか””前回電池交換してから2～3年は持っているのか””使っていて、気になる点はないか”など、事細かに聞いてくれました。成人祝いに、と両親からもらった時計だったので、ただ預かるだけでなく、「大事な時計なので」と言ってくれ丁寧に扱ってくれたので、本当に嬉しかったです。私の場合、特に使っていて不便はありませんでしたが、そういえば使っていて何回か落としてしまったり、軽くぶつけてしまったことがあったのを思い出し、そのまま伝えました。すると、隅々までチェックをした店員さんは、”この箇所が少し欠けています”と教えてくれました。パッと見では気づかないその小さなキズは、特に問題ないかと思い、そのままで大丈夫と伝えると、今度は水が入った痕や若干中がくもっています、と教えてくれました。

欠けた箇所は修理できる？

こういった場合は、電池交換だけでなく、一度メーカーに送って修理をした方がいい、と教えてくれました。何でも、一度水が入ってしまうとなかなか外に出づらく、そのまま放置をしていると今度は文字盤や針、インデックスなどの部品が錆びる恐れがあるそうです。そのため、水がうっかり入ってしまったり、水が入り曇ってからなかなか消えない場合は、「オーバーホール（分解掃除）」が必要になるという事でした。電池交換に来た時には気づきもしなかったところですが、店員さんの丁寧な説明と思い出の時計ということもあり、せっかくなのでそのままお願いしました。ちなみにこの分解掃除は、５～６年に一度を目安にするのがおすすめだそうです。何百種類ともある部品一つひとつに、それぞれパーツごとに潤滑油を塗っているそうで、段々とそれが劣化、また乾燥し放置していると正常な動きが出来なくなるそうです。目には見えない内部なので知らずに使っていて、歯車などの部品に必要以上の負荷をかけてしまい、最終的には修理料金が高額になる可能性もあると教えてくれました。

オーバーホール（分解掃除）って何？

オーバーホール（分解掃除）とは、部品すべてを一度分解し、すり減っていたり、劣化して使えない部品を交換、また潤滑油によって汚れているところには、一度きちんと洗浄してから、新しい潤滑油を塗り直す作業をしているそうです。車でいう車検のようなもので、分解掃除を一度もしていないと、車で言うオイル交換をせずに、ずっとエンジンを回し続けるのと同じようなものとも教えてくれました。分解掃除をするには、３週間ほど預けないと出来ないそうで、どこが悪いのか、どういった修理が必要になるかは見積もりが出てから教えてくれるそうです。こういった依頼は特に数年前の流行り病の時からを中心に増えているようで、手洗いやアルコール消毒を徹底する人が増えたことにも影響しているそうです。直接水などがかからなくとも、知らず知らずのうちに曇っていた…などの相談が相次ぎ、この下の写真も実際に分解掃除をした人の時計だと見せてくれました。

すぐにこの曇りが消えると思っていたその人は、気を付けてはいたものの、いつの間にか取返しのつかない程の曇りになってしまっていた、とのことでした。その後分解掃除をしたところ、やはり文字盤や針のほかに内部の部品で、いわゆる人間でいう”心臓”と同じ働きをしている部品にまで劣化が見られ、買った時以上の修理代金になってしまったようでした。あまり私も小さなことにはこだわらないので、今回も電池交換だけと思っていましたが、こういった実例を見せてくれたことで、改めてもっと大切に使おうと思い直しました。

その後見積もりからの修理に

その後お店の人から連絡があり、修理金額と修理内容をそれぞれ教えてもらいました。今回私の場合は、そこまで重症ではなかったようですが、使ってもう３０年以上は経っていたので、すり減っている部品が何か所かあったようです。また、ガラスの交換とあわせて、若干の”磁気帯び”をしていたようで、その磁気抜きも一緒にお願いしました。普段のプライベートではもちろん、仕事場でもずっと使っていたので、パソコンや電子機器の近くには必ずあった時計。磁気帯びした時計は進みや遅れの原因の一つともいわれていますが、磁化してしまった部品は正常な動きが出来ず結果としてズレや止まりにも影響してくるようです。こういった磁気帯びしてしまった時計は、分解掃除での「磁気抜き」でしか解決できず、また対策としても電磁波を発生するスマートフォンやパソコン、タブレット類などから遠ざける必要があるそうです。なので、そういった作業の前には極力はずすことが一番だとも教えてもらいました。なかなか専門用語だけだと分からないことでも、分かりやすくかみ砕いての説明や例え話など、伝わるようにと配慮をしてくれたので、安心して今回お任せできました。

どのくらいで出来るの？

その後出来上がりの連絡を受け、お店にいくと今回どういった修理をしたのか、改め一から教えてくれたのと、修理項目が記載された用紙を用意してくれていました。さらには、今後使っていく上での注意事項を書いてくれていたので、いつでも見返すことができるので安心しました。見積もりから出来上がりまで、だいたい１カ月半くらいでしたが、年末年始やGW、お盆などが重なるとさらに納期が延びてしまうので、お店の人にどのくらいで出来そうかあらかじめ聞いてみるといいと思います。その後、修理をお願いして受け取ってから１カ月ほど経ちますが、特に変わったことはなく、なるべく電化製品などからは離して、水に濡れないように意識しながら使っています。時々、何か困っていることはないか、などと気にかけてのお便りをいただき、本当に大事な時計をお任せしてよかったなと思います。今回預けた時計のほかにも何本かあるので、近いうちにまた寄せてもらおうと思います。

お店の人に聞いた！最近どんな依頼が増えているの？

修理に預ける前に少しだけ話を聞くと、一番は電池交換の依頼が多いようでしたが、最近ではそのほかにもこんな依頼が増えてきているようです。

①バンドの超音波クリーニング

タケウチエルパ店では、バンドの隙間汚れを超音波にかけて洗浄する”バンドのクリーニング”のおすすめを日頃しているそう。特に金属バンドに関しては、皮膚に触れている部分なので、皮脂汚れや汗は勿論、ハンドクリームや香水などの蓄積によって、黒く汚れてきたり、嫌な臭いがしてくることもあるそうです。普段なかなか、まじまじと見ることはないので、こういった写真を見せて説明をしているようです。

目立つ汚れを落とすだけでなく、バンドのコマとコマの隙間などもキレイにしてくれるので、バンド自体の持ちも全然違うんだそう！頻度としては１シーズンに１回、年に４回のペースでするのがベストとのことでした。また注意点として、買ってから長年経つ場合は、コマとコマとを繋ぐ「ピン」が摩耗（すり減って細くなること。）してしまい、写真のように「新しいピン」の交換が必要になる場合もあります。

超音波クリーニングで、隙間の汚れをごっそりと落とせる分、「汚れ」が一気になくなったことによって空洞が出来てしまい、摩耗して細くなったピンが軽く押した程度で抜けてしまうことも…そういった場合は、抜けた部分のピンを新しく入れ直すか、最悪の場合、バンド自体を一式交換する必要がある、とのことでした。そうなると、バンドの在庫があるのか、また取り寄せるまでの日数やバンド代など、時間もかかるそうです。

日頃より、バンドのクリーニングのみでも預かってもらえるようなので、それこそ買い物ついでにお願いしてみてもいいかもしれませんね。

②ソーラー時計の充電

１０月頃になると長袖を着るようになり、日差しも段々と弱まるので秋から冬にかけては、ソーラー時計の充電の依頼が多いそうです。ソーラー時計は、中に二次電池といって、小さなソーラーパネルのような部品が入っていますが、日光にあててきちんと蓄電し、そのエネルギーを使って動かしています。なので、普段使わない時でも、明るい場所に置いておくことと天気がいい時には定期的に、日光にあてておく必要があるんです。夏場は大丈夫だったのに急に止まったという方は一度、天気のいい日に窓際に置いておくか、タケウチエルパ店でも１０日から２週間ほど預けて、充電や時刻合わせをしてくれるので、操作が難しい場合はお願いした方が良さそうです。また、中の二次電池が数年たって劣化した場合、どんなに日光にあてていてもすぐにエネルギー切れとなり、頻繁に止まってしまいます。そういった場合は、この二次電池の交換が必要になりますが、特定の部品のみを交換することは難しいため、部品点検＝オーバーホールの修理が必要になります。なので、買ってからだいたいどのくらい経っているのかを自分で把握しておくといいですね。

③バンド調整やバンド交換

タケウチエルパ店ではバンドの長さ調整や傷んだ革バンドの交換もしていました。普段時計を着け慣れない人は少しバンドを緩く調整することも出来、対して密着度の高い方が好みな人でも専用のコマの部品さえあれば交換可能です。中には、汗をかく夏場は蒸れることも多いので緩く調整し、冬場にかけて手首の太さに合わせて戻す、という人もいるようです。また、革バンドは特に汗を吸収し、汚れて色が変わったり、割れたりすることも多く、金属バンドと比べて交換頻度が高い部分なので、幅に合わせてお店に置いてあるバンドの中から選ぶことも出来ます。季節によって暖色や寒色に替えたり、一つのファッションとしても自分好みに出来る部分なので、また違った雰囲気を楽しみたい人におすすめです！

まとめ

いかがでしたか？今回は、電池交換から分解掃除までの流れをご紹介しました。普段なかなか気が付かないガラスのキズは、想像以上に深く内部の部品にまで影響を及ぼしている可能性があります。時計は精密機械なので、落下の衝撃により、長針・短針などの”針取れ”が見受けられることもあり、そういった場合にも、針を除去せず放置したままだと、文字盤にキズが入ってしまったり、針自体が折れる可能性があります。安心して長く、また世代を超えて受け継ぐことのできる時計だからこそ、電池交換以外のメンテナンスをすることをおすすめします！福井市にあるタケウチエルパ店では、電池交換や分解掃除のお預かり以外に、バンドの超音波クリーニングやバンドの調整、ソーラー時計の充電・基準位置合わせなどを承っています。作業も込み具合により長く時間をいただいていますので、ご依頼の場合はお買い物の前のご来店をおすすめしています。気になった方やお困りごとはタケウチエルパ店へ一度、足を運んでみてくださいね。