時間が段々ズレてくる…これってなぜ？

みなさんは普段使っている時計で困っていることはありませんか？特機械式時計はゼンマイと歯車が組み合わさってできている精密機械なので、時間の遅れや進みなど相談にくる方も多いんです。今回は、実際にあった「時間が段々とズレてくる」実例から、オーバーホールの流れまでをご紹介！当てはまる項目があれば、是非一度、時計修理店へ相談してみてくださいね！

福井市にあるタケウチエルパ店

福井市にあるこちらのタケウチエルパ店では、時計の電池交換やバンドのクリーニング、バンドのコマ調整やオーバーホール（分解掃除）の預かりなどを承っています。特に電池交換では、裏蓋にあるパッキンの交換なども行い、汗や水、湿気、チリなどから最低限守れるよう、電池の交換時におすすめしています。今回は、機械式時計を使う方に特に多い相談の一つ、時間のズレについて、具体的にどんな原因が考えられるかを徹底解説します！

機械式時計がズレてきた…原因は？

機械式時計が時間をズレてきた場合、いくつかの原因が考えられます。機械式時計は、その複雑な構造と機械的な動作により、電子時計やクォーツ時計と比べて時間の精度に影響を受けやすいんです！

機械の巻き上げ不良

機械式時計は、ゼンマイ（ばね）を巻き上げることで動きます。ゼンマイが巻き上げられることによって時計の内部でエネルギーが供給され、ギアを回転させて時を刻む仕組みです。しかし、もしゼンマイが十分に巻かれていないと、時計の動きが遅くなったり、最悪の場合は止まったりすることがあります。また、巻きすぎも時計の動きに影響を与える場合があり、過剰に巻くことでムーブメントに負担をかけることになります。なので、巻き上げが不足している場合は、手動でゼンマイをしっかりと巻き直す必要があり、ゼンマイが摩耗している場合は、交換が必要になる場合も。専門の時計修理店での点検を受けるのが安心ですよ。

ムーブメント（機械部分）の不調

ムーブメントは時計の心臓部とも言える部分で、内部の歯車や歯車の軸、バランスホイール（振り子）などが協力して時を刻みます。これらの部品が摩耗していたり、潤滑油が切れていたりすると、時計の精度に影響を与えることがあります。特にバランスホイールが正確に動いていないと、時間のズレが発生しやすくなります。ムーブメントの不調が原因で時間がズレる場合、内部の部品を清掃・調整する必要があります。潤滑油が切れている場合は、再度注油を行い、歯車の摩耗が見られる場合は交換を検討する必要があります。これらの作業はオーバーホール(=分解掃除)といって、非常に精密で専門的な技術が必要なため、修理に預ける期間が長く、また修理料金もお見積りになる場合がほとんどです。

外的要因による影響

温度や湿度の変化も機械式時計に影響を与える要因です。例えば、極端に寒い環境や暑い環境では、金属部品が膨張したり収縮したりすることで、ムーブメントの動作にズレが生じることがあります。また、時計に衝撃を与えた場合や、強い磁場に近づけた場合も、時間のズレが発生することがあります。磁気の影響を受けると、時計の針が正確に動かなくなることがあります。外的要因で時間がズレる場合、温度変化や湿気を避け、時計を安定した環境で使用することが重要です。また、磁気の影響を受けた場合は、時計を「脱磁」することが必要になります。

バランスホイールの不調

バランスホイールは、時計の精度を保つための非常に重要な部品です。バランスホイールの動きが狂うと、時計の時間がズレる原因となります。特に、バランスホイールの髪の毛のようなバネ（ヒゲゼンマイ）が切れていたり、調整が不適切だったりすると、精度が大きく乱れることがあります。バランスホイールの調整や部品交換が必要な場合は、ムーブメントの完全な分解と調整をするオーバーホールが必要になります。

長期間のメンテナンス不足

機械式時計は定期的なメンテナンスが必要です。通常、3〜5年に一度のオーバーホール（全分解清掃と部品の点検）を行うことで、時計の精度を保つことができます。オーバーホールを行わずに長期間使用すると、内部の部品が劣化し、ズレや故障を引き起こすことがあります。オーバーホールを行うことで、内部の部品が清掃され、潤滑油が補充され、必要な部品が交換されます。これにより、時計の精度が回復することが多いです。オーバーホールは時計を長く使うために非常に重要な作業ですので、定期的にチェックするのがおすすめです。

機械式時計の時間のズレを直すオーバーホールの重要性とは？

機械式時計の魅力は、デザイン性や手巻きの楽しさ、そして時計のムーブメント（内部機構）の精緻さにありますよね！しかし、その魅力的な構造を持つ時計には、クォーツ時計やデジタル時計にはないメンテナンスが必要です。その最も重要な作業の一つが「オーバーホール」です。オーバーホールがどのようにして機械式時計の時間のズレを解消できるのか、そしてオーバーホール自体がどんな作業なのかについて、解説していきます。時計愛好者や機械式時計を所有している方々が、オーバーホールの重要性を理解し、時計を長く、正確に使い続けるための参考にしてみてくださいね。

オーバーホールとは何か？

オーバーホールとは、時計の内部機構（ムーブメント）を完全に分解し、清掃、潤滑、そして必要な部品の交換を行う作業です。基本的に、オーバーホールは時計の寿命を延ばし、精度を保つために必要なメンテナンスです。

オーバーホールの流れ

時計のオーバーホールが始まると、まずは時計を分解。これは非常に繊細で精密な作業であり、それぞれの部品を丁寧に取り外していきます。時計のムーブメントは、小さな歯車やバネ、ネジ、バランスホイールなどが組み合わさっており、これらすべてを分解してチェックする必要があります。分解された部品は、専用のクリーナーで一つ一つ丁寧に清掃されます。長期間使用した時計の場合、内部に埃や汚れ、古い潤滑油が溜まっていることがあります。汚れは、時計の動作を鈍くしたり、部品の摩耗を早めたりする原因となります。機械式時計のムーブメントは、内部の部品が相互に摩擦しながら動くため、潤滑油が必要です。オーバーホールでは、古くなった潤滑油を完全に拭き取り、新たに適切な量の潤滑油を補充します。潤滑油が適切でないと、ムーブメントの部品が摩擦によって損傷し、時計の精度が落ちる原因になります。また、オーバーホールでは、ムーブメントの各部品が摩耗していないか、破損していないかをチェックします。もし部品が摩耗していたり、傷がついていたりする場合は、その部品を交換します。特に、ゼンマイやバランスホイール、ヒゲゼンマイ（バランスホイールに繋がる小さなばね）などの重要な部品が劣化している場合は、交換することで時計の精度が大きく向上します。そして、分解と清掃、潤滑油の補充、部品交換が完了した後、時計は再度組み立てられます。その後、精度を確保するために細かな調整が行われます。特に、バランスホイールやヒゲゼンマイの調整が重要で、これにより時計の時間のズレが改善されることがあります。調整後、動作テストを行い、正常に機能するかどうかを確認します。ムーブメントが元通りに組み立てられたら、次はケースの清掃を行い、時計を再度組み立てます。ケースの外観もきれいに保つことで、時計全体の美観が保たれ、さらに長期間使うことができます。

オーバーホールが時間のズレを直す理由

機械式時計は精密機械であり、ムーブメント内部の部品が相互に連動して動きながら、時間を刻みます。そのため、オーバーホールが行われることで、時間のズレを直すことができる理由は大きく分けて5つあります。

1. 潤滑油の劣化

時計の内部には、歯車や軸が多く存在します。これらの部品が摩擦することで、時間が正確に刻まれますが、摩擦が大きすぎると摩耗が早く進み、精度に悪影響を及ぼします。潤滑油はこれらの摩擦を減らすために非常に重要ですが、時間が経つと潤滑油が劣化し、機能が低下します。オーバーホール時に新しい潤滑油を補充することで、摩擦が減少し、時計の動きがスムーズになり、精度が向上します。

2. バランスホイールの調整

バランスホイールは、時計の精度を保つための重要な部品です。バランスホイールは規則正しく振動することで、時計が時間を刻む役割を果たします。このバランスホイールの振動が不規則だと、時計の時間はズレやすくなります。オーバーホールでは、バランスホイールの調整を行い、精度を保つために最適な状態にします。これにより、時間のズレが改善されることが多いです。

3. 部品の摩耗と交換

機械式時計は、長期間使用することで内部の部品が摩耗してきます。特に、ゼンマイや歯車、バランスホイールなどは摩耗しやすい部品です。これらの部品が摩耗すると、時計の動作に支障をきたし、時間のズレが生じる原因になります。オーバーホールでは、摩耗した部品を交換することで、時計の精度を回復させることができます。

4. 汚れや埃の影響

時計内部に汚れや埃が溜まると、歯車やその他の部品が正常に動作しなくなり、時間のズレが発生することがあります。オーバーホールでは、内部を完全に清掃するため、これらの汚れや埃が取り除かれ、時計がスムーズに動作するようになります。

5. 温度変化への対応

機械式時計は、温度変化による影響を受けることがあります。特に、金属部品は温度によって膨張したり収縮したりするため、時間がズレることがあります。オーバーホールでは、ムーブメントの調整が行われることで、温度変化に対する影響を最小限に抑えることができます。

オーバーホールの頻度と必要性

機械式時計のオーバーホールは、時計の精度を保つために非常に重要な作業ですが、どのくらいの頻度で行うべきなのでしょうか？一般的には、3年から5年に一度のオーバーホールが推奨されています。使用頻度や環境によっては、もう少し頻繁にオーバーホールが必要になることもあります。特に、過酷な環境で使用する時計や、高精度を求められる時計（例えば、ダイバーズウォッチや航空時計など）は、定期的なオーバーホールが重要です。また、時計が止まったり、時間のズレが目立つようになったりした場合は、早めにオーバーホールを依頼することをお勧めします。放置すると、時計の内部部品にさらなるダメージを与え、修理費用がかさむ可能性があるため、早期の対応が重要です。機械式時計のオーバーホールは、時間のズレを直すために非常に効果的な手段です。内部の部品が摩耗したり、潤滑油が劣化したり、汚れや埃が溜まったりすることが原因で時間のズレが生じるため、オーバーホールによってこれらを解消することができます。また、オーバーホールは時計の寿命を延ばし、精度を保つために欠かせない作業であり、定期的に実施することで、時計を長く美しく使い続けることができます。時計を大切にするためには、オーバーホールを適切なタイミングで行うことが大切です。

オーバーホール、費用はどのくらいかかる？

オーバーホールの費用は、時計のブランド、ムーブメントの種類、修理の内容によって異なります。一般的には1万円〜5万円程度が相場です。高級ブランドや複雑なムーブメントの場合は、さらに高額になることがあります。 部品の交換が必要な場合、部品代が追加でかかることがあります。オーバーホールは、適切な潤滑と調整により、正確な時間を表示するようになるので、時計の精度が向上！定期的なオーバーホールによって、時計の内部部品の摩耗を防ぎ、長期間にわたって正常に動作するようにします。故障のリスクが低くなるので、時計を永く、安心して使用することができますよ。

オーバーホールと一緒におすすめなバンドの超音波クリーニング

バンドクリーニングとは、その名の通りバンドの隙間や中留めに溜まった汚れをクリーニングすることです。画像でも分かるように、汚れが落ちたのはもちろん、バンド本来の輝きも蘇りました！バンドの隙間はお手入れが難しい分、購入してからもずっとそのままで使う方が多いので、一度するだけでも輝きが全く違います！また、通常3時間ほどのお預かりになるそうです。電池交換とセットでのご依頼が多く、特に夏場だと汗で濡れたり、手を洗う回数が増えるので、濡れた部分にホコリや塵などが付着し、劣化を早めてしまいます。柔らかい乾いた布で拭き取るだけでも、バンドの劣化を遅らせる効果があるので、頻繁にクリーニングが出来ない方でも安心ですよ。当店のバンドのクリーニングでは超音波洗浄となり、表面に付着した汚れはもちろん、バンドとバンドの隙間汚れもゴッソリ洗浄することが出来ます！是非お試しください。

メリットと頻度は？

メリットとして、クリーニングをする事で汚れが落ち、バンド自体の持ちが長持ちします！皮脂汚れやホコリは、汗や水などでそのままバンドに付着してしまうので、入念なお手入れをしないと、どんどん汚れが蓄積していきます。そして、意外と知らないのが皮脂汚れの「嫌なニオイがする」ということ。なかなか自分では気づきにくい部分なので、ニオイがすると知らない方も多いのではないでしょうか？また、夏場は特に汗をかきやすいので、蓄積したまま放置していると、そこからサビる可能性もあります。バンドとバンドを繋ぐピンも、経年劣化によってすり減りが見られるので、その隙間に汚れがあるとさらにサビの原因となってしまうんですよ。そのため、【1シーズンに1回】がおすすめ！まだしたことがない方は、是非やってみてくださいね。

まとめ

いかがでしたか？機械式時計の時間のズレにはさまざまな原因が考えられます。ゼンマイの巻き上げ不足やムーブメントの不調、外的要因、バランスホイールの不具合、そして長期間のメンテナンス不足が主な原因です。これらの問題を解決するためには、専門的な修理が必要な場合が多いので、信頼できる時計修理店での定期的なチェックとメンテナンスが大切です。時計を大切に長く使い続けるためにも、早期に修理を行い、正しい使い方を心がけましょう！

福井市にあるタケウチエルパ店では、電池交換やバンドクリーニングなども承っています。ショッピングモール内にあるので、買い物ついでに預ける方も多いので、気になった方は是非一度足を運んでみてくださいね。